21.12.02

熱帯砂漠の成因を振り返ろうとしてウィキペディアで海流について調べているうちに、18世紀のステラーカイギュウの絶滅の顛末を語る記事まで流れ着く。ベーリング海無人島に座礁した探検団の食糧や皮革、燃料の供給源として発見され、のちに母国で紹介されたことがその絶滅へ至る乱獲の発端だという。島でのサバイバルの記述の中で唐突に登場する青海苔壊血病に効くらしい)の記事へのリンクが、ぽてっとしたお好み焼きのイメージをもたらす。その丸く膨らんだ表面と、それをぐにゃぐにゃと区切るマヨネーズの間抜けな黄色が、乱獲の凄惨さや船員たちの極限状態を語る文章の流れの中で岸壁に衝突するように不意に挿し込まれる。